人の心を動かして”あなた”から買いたくなっちゃう魔法の伝え方

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わたし達は、日々たくさんのコミュニケーションをとって生きています。その中でも、特に”伝えること”は生まれてからずっと行ってきた、いわば当たり前のようなスキルですが、生きるために必要な物とも言えるでしょう。

何年もコミュニケーションの一部として伝えるスキルを使ってきたわたし達ですが、人に何かを伝えたときに、その反応に満足できなかったことはありませんか?自分が一生懸命話したのに良い反応がもらえなかった、聞いてさえももらえなかったなんてこと、ビジネスの場ではよく聞く話ではありませんか?

実は、伝え方にはコツがあるんです!伝え方ひとつで相手の反応を変えられる、否定的な反応を肯定的な反応に相手が勝手に変えてくれる、そんな魔法みたいな伝え方を今回はお伝えします。

1・相手が感じる2つの価値があなたの未来を決める

相手が感じる2つの価値とは、あなたが何かを伝えたときに、相手があなたやあなたの商品に対して感じるイメージや基礎情報です。この2つの価値が相手があなたに興味を持つきっかけとなり、あなたを頼りたいと思う理由にもなります。

感情を動かすことで人は行動に移す

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人間が何か行動をするとき、必ず感情が先に動きます。それは、行動した先にあるメリットを求める欲求からくるものです。

例えば、わたし達はなぜ食事をするのでしょうか?お腹がすいた、おいしそう、食べてみたいと思うから食べるという行動を起こします。何気なく行っている行動の全ては、あなたがやりたい、やらなきゃ、やってみようかなという感情を持ってから、実際にそれを行動に移していきます。つまり、人は感情が動いてから行動する生き物ですし、言い換えると、人の感情を動かすことが出来れば、相手は行動をすると言うことです。

機能的価値と感情的価値

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あなたの未来を決める2つの価値の正体は、機能的価値と感情的価値と呼ばれるものです。あなたが何かを相手に伝えるとき、相手の決断や行動に影響を与える割合は、機能的価値が2割、感情的価値が8割と言われています。では、この2つの価値とは、いったいどんなものなのでしょうか?

機能的価値とは名前の通り、そのものの機能に関する認識で、客観的に見て誰でも同じような価値を感じることが多いです。

感情的価値とは、相手の気持ちや感じたことによって価値が変わるので、1人ひとり全く違った価値を感じることがほとんどです。

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では、この2つの価値を比べてみましょう。例えば、「食べ物」に対する機能的価値は、お腹を満たしてくれるもの、感情的価値は、食べたことによって得られる幸せや満腹感など、食べることによって何を得られるかで1人ひとり違った思いを持ちます。「公園」ではどうでしょうか?機能的価値は、地域の方が思い思いのことをして過ごすことが出来る場所、感情的価値は、公園に行って何をして何を感じるのか、何を得られるのかによってそれぞれ感じ方はかわります。

ビジネスで考えてみると、あなたの商品の機能的価値は、その商品が出来る機能的な部分や使うことによって得られる利益であり、感情的価値は、その商品を使用した先に待つ未来が明るいものになるイメージや未来への期待といえるでしょう。

2つの価値の役割

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機能的価値の大きな役割は、相手にあなたの存在に気づいてもらい、興味を持ってもらうきっかけを作る、ビジネスにおいては最も大切な最初のステップと言えます。機能的価値を拡散していくことで、その商品を認知してもらうきっかけになり、その後のステップへと繋げていくことが出来ます。

感情的価値の役割は、未来を想像して動く感情で、未来に期待を持たせることです。よりあなたの商品に興味関心を持たせることができれば、その商品を購入するまで繋げていける可能性が広がります。

このように、2つの価値はつながっていて、どちらが欠けてもビジネスが上手くいくことはありません。機能的価値で多くの人に知ってもらい、知ってくれた相手に対して感情的価値を与えて興味関心を引きつけ、購入まで繋げていきます。

 

2・相手の心を動かす2つの魔法の伝え方

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Two Steps Aheadが一気に印象を変える

Two Steps Aheadとは、相手の考えるであろうことの2歩先を読んで伝えることで、あなたの話を聞いた相手に未来を想像させて、良いイメージを植え付けることで興味を引きつける伝え方です。

例えば、あなたがボールペンを買いに行ったとしましょう。もしそこに「すらすら書けるボールペン」と「まるで自動で動いているかのような書き心地」の2つのボールペンがあったとしましょう。ボールペンの機能的価値として、すらすら書けることは必須ではないですか?なので、前者の場合、どこにでもある他のボールペンとの違いをあまり感じることが出来ません。

では、後者を読んであなたはどのようなイメージをしたでしょうか?「自動で動いているかのような」の部分ですらすら書けることはイメージできたのではないでしょうか?それだけではなく、書きにくさや引っかかりがなく、思い通りの線が書けるようなイメージを持ったのではないでしょうか?

このように、言葉で直接「すらすら書ける」とは言っていないけれど、相手が想像してあなたの言いたいことが感覚として伝わり、納得して購入をすることに繋げることが出来るというわけです。

ここでのポイントは、物事を比喩化して伝えるということです。比喩化することにより、直接的に言われたときよりも想像したり考えたりして理解をするので、より感情的価値に訴えかけることが出来ます。

ストーリーテリングで相手の心をぐっと掴む

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ストーリーテリングとは、その名の通り、伝えたいことをストーリー化して伝えることを意味します。ストーリー化して伝えることで、感情移入しやすく、相手の共感を誘い、自分のことではないのに自分のことかのように疑似体験をさせることによって、より相手の感情を動かし相手の記憶に長く残る伝え方です。

例えば、友人から上司の悪口を聞くとその上司を知らないのにも関わらず自分も腹が立ったり、同僚の恋愛話を聞いて自分もどきどきしたりした経験はありませんか?

もっと身近な例で言うと、普段見るドラマにハマってしまって毎週必ず見てしまうなんて事ありませんか?これも、ストーリーテリングによるもので、ドラマを見ているうちに主人公の人柄や境遇に共感し、主人公が成長していく様子を応援したくなったり、続きが気になってしょうがなくなったり、そのドラマに強く惹きつけらてしまいます。

これがストーリーの力であり、ストーリー化することによって相手に想像させ共感を与えて、感情を動かしていくことができるというわけです。

脳科学で示される2つの伝え方の根拠

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人が喜怒哀楽を感じたときに出されるドーパミンという物質をご存じでしょうか?実は、この物質が放出されることで人の感情を高め、その対象への集中力が高まり、気になる存在となります。また、脳の作りとして、物事に対する好みは扁桃体が、記憶に残すかどうかの判断は海馬が行っていますが、実はこの2つの器官は隣同士にあります。感情を伴う記憶は扁桃体が海馬に刺激を与えることで、思い出として脳に強く定着します。

つまり、ビジネスにおいても、相手の感情を動かし記憶に残すことによって、あなたの商品が気になる存在となれば、相手は自分からより詳しく知ろうとしたり、追いかけたりするようになり、あなたのビジネスが相手から求められるものになります。

 

3・相手が自然とあなたに興味を持つ会話のコツ

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あなたが何かを伝えるとき、広告や宣伝でなければ、相手と直接会話をして伝えるということが一般的です。では、相手にあなたの商品についてもっと知って欲しいと思ったときに、どんな話し方をすると、相手はあなたの商品によりを持興味を持ち、もっと知りたい、あなたから買いたいと思ってくれるのでしょうか?

ビジネスの結果に大きく影響する話し方

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実はこの話し方、あなたの商品をアピールする時間より多くの時間を相手を知ることに使うことが、最も大切なのです!

相手を知るために行うこととして、事前調査とSPINの法則を使ったヒアリングの仕方を使います。この2つを行う割合が、相手との会話の90%を占めます。あなたの商品を提案する部分は、ほんの10%ほどなのですが、それにはきちんと理由があります。

なぜこんなにも相手のことを知るために時間を使うかというと、1つは感情的価値に訴えかけるためには、相手の望むものや欲しい未来を知ることが重要なため、2つ目は、会話の中で相手の警戒を解き、安心して話をしたり聞いたりしてもらうため、そして3つ目は、相手が気づかないうちに相手より優位に立ち、尊敬や信頼をしてもらうためです。あなたがビジネスをしてものを売る側になったとしたら、相手のことをより知ることで、相手に会わせた感情的価値に訴える伝え方をすることができ、相手から求められる存在となることができるというわけです。

事前調査での相手の分析が肝心

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ここでの分析は、相手と実際に話を始める前からが始まっています。相手の好みを知る、求めているものを知る、叶えたい夢や希望を知ることで、相手の未来に希望が持てる伝え方が出来るようになるというわけです。

このときに大切になるのが、相手との雑談を無駄にしないということです。いったいどういう意味かというと、雑談の中に事前に分析していた情報から相手に話を振り、何気ない会話を楽しむ中で、相手があなたに対する安心感を抱き、信用して自分の話をしてくるようになります。話しやすい人として警戒を解いてくれれば、より相手の情報を引き出すことができ、より相手の感情的価値に訴えかけることが出来るようになるというわけです。

ここでもう一つ大切なことは、相手の話を自分事化して聞き、相手以上に相手を知ることです。相手以上に相手を知る、少し分かりづらいかもしれませんが、人間は意外と自分のことを分析できていません。いざ将来の理想を聞かれても、ざっくりしたことは言えるが細かく詳しくは説明できない方が多いです。この、相手自身が説明できない、よく分かっていない部分を知ることで相手の欲しい未来像を代弁することが出来ますし、代弁することによって、自分でも言えなかったことを分かってもらえたと、尊敬や信頼の気持ちが生まれます。尊敬や信頼をした人には、心を開いて話せませんか?心を開いて話してもらうためにも、事前調査で相手を分析することは大切というわけです。

次の画像では、インスタグラムでのやりとりの例をご紹介しています。

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いただいたDMに対して、相手の投稿を分析し、マイボトルの持参や出かけた先にお弁当を持参し箸やスプーンは友達の分まで用意していることから、エコな取り組みに興味のある方と推測しました。相手のことを知ることで、お互いに安心してお話しすることが出来ますし、より相手に合った問題解決方法を提案することが出来ることにつながります。

SPINの法則で相手と一緒に相手自身を暴く

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SPINの法則とは、相手に質問をしながら相手の今の状況や問題、問題を解決する方法などを見つけ出していくヒアリング方法です。

S:Situation、P:Problem、I:Implication、N:Need-payoffという言葉の頭文字をとってSPINの法則といいます。

Situationでは、状況質問をして、相手の現状を把握していきます。ここでも事前調査で分析した相手の情報を活用していきます。相手が悩むことを一緒に確認することで、相手自身にも状況を再確認してもらいます。

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Problemでは、問題質問をして、いったい何が根本的な問題なのか、何が原因で現状が引き起こされているのかを確認していきます。ここでも一緒に確認をしていくことで、相手に何が問題なのかをはっきりと意識してもらい、いったいどうしていけば良いのか気づいてもらいます。

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Implicationでは、誇示質問をし、今の状況が続いた場合の未来を想像し、その重大性に気づいてもらいます。ここで役に立つのが、先ほどお伝えしたストーリーテリングの伝え方です。同じ状況の方が変化をせずに事態が悪化した例なんて聞いたときには、自分もこのままではいけないと危機感を募らせるようになります。

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Need-payoffでは、解決質問をし、相手が理想とする未来をイメージしてもらいます。それにより、今の状態からでも変われることを認識させ、未来に希望を持って変わろうと思うことが出来ます。

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このSPINの法則で大切なことは、事前調査で雑談をして相手の熱が高まったらすぐに、SPINの法則を活用してヒアリングを始めるということです。時間があくと人間はやらない理由を探し始める生き物です。相手の熱が高まり、話を聞きたいと思っているうちに、次のステップへと進むことがベストと言えます。

またヒアリング中は、一方的に話すのではなく、相手から話をしてもらうこと、相手を説得しようとするのではなく、相手の話に共感し、相手の言葉を代弁し確認することで相手自身に自覚を持たせることが重要です。一方的に話されると威圧感もありますし、人に言われたからすぐ納得できる人はそうそういません。自分の中で考え、自分の言葉で話すことでより理解が深まります。

そして、最も大切なことは、聞くことに徹し営業は一切しないということです。このヒアリングを通して、相手にあなたから買いたいと思わせることが重要なのであり、相手に買わせようとする気持ちは邪魔なものとなります。

 

4・相手の感情を動かす伝え方で心を掴もう

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さて今回の伝え方の話はいかがでしたか?話し方を自分軸から相手軸に考え方を工夫するだけで、かなり大きな変化があることにお気づきいただけたでしょうか?何よりも相手の感情を動かすことで相手の行動を促すことが出来ると理解していただけていたら、今後の伝え方に変化が出るのではないかと思います。相手を相手以上に知り、相手の望む未来を見せる魔法の伝え方で相手も自分もハッピーになりましょう!